命の弔い
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ブータンの中を走っていると、民家の近くや見晴らしのいい丘の上に、こんな白い旗がたくさん立っています。
これは、人が亡くなると立てる旗だそうです。
ブータンにはお墓がないのです。

荼毘に付されたあと、遺灰は自然の中に還されます。灰の一部を土に混ぜて、円錐のような形をしていて粘土を焼いたようなツァツァとよばれる、掌に乗るほどの小さな塊を作ります。
ツァツァは、巡礼の道の途中や、寺院のそばなどにそっと置かれています。

命は、その天命を全うすると、新しい命に生まれ変わる。
ブータンの寺院には、六道輪廻の大きな壁画が描かれています。
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プナカ・ゾンの六道輪廻
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パロ・ゾンの六道輪廻


六道輪廻図に描かれているものは、天上界、人間界、畜生界、修羅界、餓鬼界、地獄界です。
このどこの世界に生まれ変わるかは、今生きている日々の心の在り方によると教えます。

輪廻を信じる民たちにとって、今生の自分の名前や存在の痕跡を遺すことは、大したことではないのです。
むしろ大切なのは、今をいかに生き、そして来生を信じること。

そんな教えがあるからでしょう。ブータンの人たちは虫も殺さないのです。ハエや蚊も追い払うだけです。もしかしたらその蠅は誰かの生まれ変わりかもしれません。
山道を登っていた時、一匹の蠅があまりにもしつこくまとわりつくので、手拭いでパンと払ったら、見事に命中してしまい、逆にびっくりしました。日本だったら、叩かれる気配を察した蠅はさっと逃げます。でもブータンの蠅は叩かれることが少ないのでしょう。逃げるということを知らないようでした。

風にパタパタ揺れる白い旗を眺めながら、ブータン人の根底に流れる死生感を感じ、こんなふうに自然に還れることを羨ましく思えたのでした。


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パロ・ゾン
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by yukari_ta-ra | 2009-08-27 07:04 |
<< 誰かに似ていませんか。 瞑想の旅 ブータン >>



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